失いたくないもの
私には
失いたくないものがある
それを失いたくないから
私は強くなって
それを失いたくないから
私は弱くなる
それを失っても
私は私でいられる
だけど
それを失うことは
世界の終わりみたいだ
私からそれを奪うものと戦うため
私は強くなって
私からそれを奪うものに怯える時
どうにもならないほど弱い
2月12日
バッグの奥から出てきた
去年の2月12日の
寄付の領収書
今年の2月12日には
ネットに言葉をつづり始めた
あなたに会えなくなってから
巡ってくるあなたの誕生日に
私は何かを残そうとしている
本当はあなたにおめでとうと
言いたいだけなのに
伝えあぐねる気持ちは空回りして
ただ何とかして何かを伝えようとして
もがいてる
来年のあなたの誕生日が来る頃
私はまだあなたを思っているのかな
優しいだけのひと
あなたは優しいだけのひと
優柔不断で 頼りにならないし
あんまり面白いこと 言えるわけでもない
自分の考えを はっきり言えないし
なんだか世の中に おびえてるみたい
だけど、
あなたは誰より優しくて
落ち込んでると さりげなく声をかけてくれる
あなたに嫌なことを言う人がいても
穏やかな表情で 穏やかに受け止めている
誰かの悪口は言わない
強いのか 弱いのか わからないひと
優しいだけのあなたを
好きになってしまったのだから
あなたにないところは 必要なら私が補えばいい
そんなこと思ったりするけど
優しいだけのあなたに
優しさ以上を求める日が恐い
優しいだけのあなたと
傷つけ合わなければならない日が恐い
あなたに決めて欲しいけど
あなたは優柔不断だから
ぽつん
順調な日々が流れて
待ちこがれる前に 週末が来た
残ってる仕事もあるけど
とりあえず自分のために過ごそう
読みたい本 練習したい曲 メールの返事
やりかけの会話教材 新しいケーキのレシピ
撮りためたドラマ
そして、私
ぽつん、とひとり ぽつん、と雨
いろいろ注ぎ込んでも 心はいっぱいにならない
ぽつん、とひとり ぽつん、と雨
いろいろはりつけても 中身は猫背の私なの
いつしか 処世術ってのも
何とか 身に付いたような気がした
実際は 相も変わらず
人間関係はおぼつかなくて
ぽつん、とひとり ぽつん、と雨
やっぱり人は果てなく 孤独な存在ってことかな
ぽつん、とひとり ぽつん、と雨
ごろんと寝ころがって 天井見ながら思った
perplexed
あなたの心なんて読めない
近づけたと思ったら、離れていくし
遠いと思ったら、近くにいたりする
駆け引きなのかもわからない
ただ振り回されて
ただ不安で
もうやめちゃおうかって思う
もうやめちゃえたら楽なんだけど
あなたが憎いような
もどかしさ
それでも
やっぱり 嫌いになるのは難しくて
本当にバカバカしいけど
また同じこと繰り返す
あなたの心なんて読めない
私の心
あなたにどれだけわかるのかな
散る
光なのか 雨なのか 時間なのか
桜の花びらは 音もなく散っている
あんなに軽く
空気にくるくると 手を振りながら
舞っている
小さくうすい 1ひらの花びらの重ささえ
宙にとどまることはできなくて
地面に降りる
音もなく
水面に降りる
音もなく
1ひらずつ
音もなく
1ひらずつ
音もなく
私は息をとめて
散る桜を見る
散っているのが
桜なのか
時なのか
わからなくなる
光なのか 雨なのか 時間なのか
私の心なのか
わからなくなる
さよなら
「すきです」と「さよなら」と言うのは どっちが難しいんだろう
好きだから 一緒にいた君は 悲しく顔曇らすだろう
降り始めた小雪が 冬のホタルみたいに舞うよ
君と見るものはいつも そんなふうにステキだったよね
さよなら 明日は君の僕でも 僕の君でもない
さよなら そのための勇気が 償いになるだろうか
僕たちは一緒じゃない方が 本当の自分でいられる
情熱が冷めるのも一緒なら こんなにつらくないのに
君といても心が うわの空になってしまって
君を傷つけたくなくて ついた嘘が僕を傷つけた
さよなら 明日は君の僕でも 僕の君でもない
さよなら 前に進む勇気 そう受け取って欲しいよ
Hurting you is the last thing that I want to do.
Please don't cry, please don't cry, baby...
憎んで忘れてもいいよ 僕が覚えているから
さよなら 明日は君の僕でも 僕の君でもない
さよなら そのための勇気が 償いになるだろうか