Stanza della Luna

雑多な詩集

夢の木

僕たち ないものを 持ちよったら

そこから 見たこともない 勇気が 芽吹いた

 

僕たち あるものを 持ちよったら

そこから 光輝く 希望が 花開く

 

僕が 忘れかけてた 大切な何かは

君の 純粋な瞳に 宿ってたんだ

 

Hand in hand  

そして 大空に向かって

伸ばす 僕たちの手は

枝になり 葉になり 幹になる

みんなの 夢の木になるよ

 


僕たち ないものに 縛られてた

そんなの ないままだって 笑顔になれるよ

 

僕たち あるものに 慣れすぎてた

そうして あるからこその 弱さに気づかない

 

壁は どこにでもある でも君を見てると

越えられない壁など ない気がするよ

 

Hand in hand  

そして 大空に向かって

つなぐ 手を伸ばしたら

枝になり 葉になり 幹になる

世界は 夢の森になる  

白い花

忘れられない花がある 

名前も知らない花だけど

あなたと土手に腰かけて 

言葉にならない夕日を見た

 

短い草の上についた 

あなたの左手のとなりに 

小さく咲いた白い花

 

あの頃の心のさざ波も 

一瞬を愛しむ情熱も

夕焼けに染まる あの花が 

今もどこかで覚えてる気がして

 

好きな花を聞かれる時 

2番目に好きな花を言う

1番好きなあの花は 

名前も知らない小さな花

 

おとぎの国の花のように 

夢にだけ咲く花のように 

あれから二度と見かけない

 

あの頃の心のさざ波も 

一瞬を愛しむ情熱も

花びらに映すあの花が 

今もどこかで咲いていて欲しい

君へうたう

明るい うすみどりの

風が 吹いてくる

初夏の 森を ふたり 

歩きながら 話した

 

「やっぱり ここはいいね」

君は 言ったけど

やがて 風は止んで

君の旅は 続いた

 

僕は この町で生き

時には 君を 想ったりしてる

 

君の 君のためにうたう このうたが

どうか 君に届きますように 

今日の空の青さに そんなことを願った  

 

 

初めて ドライブした

ふるさとの町を

君は 遠く 離れ

季節 だけが 戻った

 

「ごめんね ハイヒールじゃ

歩きにくいから」

君は くしゃみ ひとつ

あれから いくつの夏

 

君が この空の下

あの日の風を 想ってるのなら

 

君の 君のためにうたう このうたが

せめて 君に届きますように 

今日の空の青さに そんなことを願った

失いたくないもの

私には

失いたくないものがある

 

それを失いたくないから

私は強くなって

 

それを失いたくないから

私は弱くなる

 

それを失っても

私は私でいられる

 

だけど

それを失うことは

世界の終わりみたいだ

 

私からそれを奪うものと戦うため

私は強くなって

 

私からそれを奪うものに怯える時

どうにもならないほど弱い

2月12日

バッグの奥から出てきた

 

去年の2月12日の

寄付の領収書

 

今年の2月12日には

ネットに言葉をつづり始めた

 

あなたに会えなくなってから

巡ってくるあなたの誕生日に

私は何かを残そうとしている

 

本当はあなたにおめでとうと

言いたいだけなのに

 

伝えあぐねる気持ちは空回りして

ただ何とかして何かを伝えようとして

もがいてる

 

来年のあなたの誕生日が来る頃

私はまだあなたを思っているのかな

 

優しいだけのひと

あなたは優しいだけのひと

 

優柔不断で 頼りにならないし

あんまり面白いこと 言えるわけでもない

 

自分の考えを はっきり言えないし

なんだか世の中に おびえてるみたい

 

だけど、

あなたは誰より優しくて

落ち込んでると さりげなく声をかけてくれる

 

あなたに嫌なことを言う人がいても

穏やかな表情で 穏やかに受け止めている

 

誰かの悪口は言わない

強いのか 弱いのか わからないひと

 

優しいだけのあなたを

好きになってしまったのだから

あなたにないところは 必要なら私が補えばいい

そんなこと思ったりするけど

 

優しいだけのあなたに

優しさ以上を求める日が恐い

 

優しいだけのあなたと

傷つけ合わなければならない日が恐い

 

あなたに決めて欲しいけど

あなたは優柔不断だから

 

 

ぽつん

順調な日々が流れて 

待ちこがれる前に 週末が来た

残ってる仕事もあるけど 

とりあえず自分のために過ごそう

 

読みたい本 練習したい曲 メールの返事

やりかけの会話教材 新しいケーキのレシピ

撮りためたドラマ 

そして、私

 

ぽつん、とひとり ぽつん、と雨

いろいろ注ぎ込んでも 心はいっぱいにならない

ぽつん、とひとり ぽつん、と雨

いろいろはりつけても 中身は猫背の私なの

 

いつしか 処世術ってのも 

何とか 身に付いたような気がした

実際は 相も変わらず 

人間関係はおぼつかなくて

 

ぽつん、とひとり ぽつん、と雨

やっぱり人は果てなく 孤独な存在ってことかな

ぽつん、とひとり ぽつん、と雨

ごろんと寝ころがって 天井見ながら思った