luna piena
遠くへ来た
ここまで来た
こんなに遠くまで 来たと思ってた
歩きつかれた私は
道ばたに腰を下ろす
ぽっかり浮かんだ満月が
私を見ている
透き通った満月が
私を見ている
うさぎなんかいない
かぐや姫もいない
でも 同じ月
ずっと同じ月が私を見ている
こんなに遠くまで来た
逃げるようにして
休まずここまで来た
「まだこんなところだった」
それが悲しくもあり
どこかあの満月のように
透き通った私の体を
風が吹き抜ける
そんな気がした