Stanza della Luna

雑多な詩集

下弦の月

駐車場の空に浮かび上がる 

春の下弦の月

切れそうに細くて

消えそうに淡くて

ぼんやりと浮かぶ

 

悲しみや寂しさを受け止める

女神の手のひら

全ての涙を注ぐ杯

 

だけど今夜の月は

欠けたはずの満月と同じだけ

ぼんやりとした悲しみ、寂しさ、涙の影

抱えきれないほど映してる

 

ここにも私の涙を注ぐ場所はなくて

 

満月のような寂しさを胸に抱える

私とよく似た春の下弦の月

ぼんやりと浮かぶ