散る
光なのか 雨なのか 時間なのか
桜の花びらは 音もなく散っている
あんなに軽く
空気にくるくると 手を振りながら
舞っている
小さくうすい 1ひらの花びらの重ささえ
宙にとどまることはできなくて
地面に降りる
音もなく
水面に降りる
音もなく
1ひらずつ
音もなく
1ひらずつ
音もなく
私は息をとめて
散る桜を見る
散っているのが
桜なのか
時なのか
わからなくなる
光なのか 雨なのか 時間なのか
私の心なのか
わからなくなる