Stanza della Luna

雑多な詩集

あなたのいない世界

カーテンから差し込む光

ニュースを読むアナウンサーの声

ステンレスボトルに注ぐ紅茶の香り

まるでいつもと同じ朝

 

一人暮らす部屋の窓から見る

少しくすんだ空の薄い青

川辺を吹き渡る風の色

深くなる木々の緑も

全部いつか見たのと同じ

 

だけど、この世界にもうあなたはいない

 

駅前を行き交う人はいつもと変わらず足早で

制服姿の高校生達が笑い転げている

みんな気づいていないみたい

 

この世界にもうあなたはいないのに

 

何一つ変わってないみたいな世界に

私は立ちすくむ

 

あの場所に行っても もうあなたに会えない

あの番号にかけても もうあなたと話せない

あなたの愚痴を聞くこともないし

私の愚痴を聞いてもらうこともない

他愛のない話で見せる

あの笑顔を見ることもない

 

あなたのいない世界で

私は今までどおり生きる

今までどおりじゃない世界で

あなたが教えてくれたように

あなたが生きていたように

あなたが光を与えたように

 

私は生きて行く