Stanza della Luna

雑多な詩集

新しい一歩

あなたがいなくなってしまって

無意識に私は

立ち止まっていたんだね

 

季節の中の一つひとつのかけらに

全部あなたがいるから

 

違う花が咲くたびに

あなたに話したくなったりして

 

変わらない世界から

あなただけが消えてしまったことに茫然として

気づけば同じ場所に

ずっと立ちすくんでいた

 

気づいたんだ

目の前の扉が少し開いているのに

 

垣間見る向こう側の景色は

世界は絶えず動き続けていると教えてくれる

 

扉の向こうに

一歩踏み出してみる

 

世界はもう生まれ変わっていて

前と同じなんかじゃないんだね

 

あなたがいない世界を

一歩ずつ歩む

どんな一歩でも

一歩ずつ歩む

 

築いていく新しい世界に

あなたはいないけれど

 

優しい人がたくさんいて

 

それぞれに悲しみを背負って

 

時々はあなたの思い出話だってする

 

新しい一歩が教えてくれる

生きている意味は

思ったより優しく、温かいよ