夏とスイカと麦わら帽子
少し古びたたたみに寝ころんで
おなかにバスタオルをのせてうとうとすると
目が覚めるころ庭先はセピア色に染まって
蝉の声が「もう夕方だよ」と大合唱してた
私より背の高いひまわりが
空を見上げてる道を
プール帰りに歩いていると
入道雲モクモク 雷ゴロゴロ
短い夕立がいつも熱をさらっていった
ちゃぶ台に三角のスイカ
塩なんてかけないほうがおいしいのになんて思いながら
時々うっかり種をのみ込んで
芽が出てきたらどうしようって気にしたっけ
ラジオ体操や
高校野球の音が聞こえてた
麦わら帽子かぶって
虫取りに行ったり
扇風機に向かって
「あー」って言ったり
ちっぽけだけど楽しい夏の思い出
冷房の効いた部屋で思う
あんな夏は今もどこかにあるのかな