Stanza della Luna

雑多な詩集

Open Sky

何万人もの人波が 

どこかの神社に 押し寄せるころ

 

こんな郊外の片すみで 

見渡す限り 誰もいない

 

道くさばかりしてる犬と散歩

 冬の野原は 暖かく 透明に 広がる

 

そして 少し視線を上げると

遮るもののない 青い空が

 

Open Sky 白い雲の筋をまとって

吸いこむようでもなく まぶしいわけでもなく

どこまでも 頭上に浮かぶ 青い空

 

つめたい空気を吸い込んで 

体のすみまで 酸素が流れ

 

滞りつづけた何かが

この空に溶けてくよう

 

道くさばかりしてる犬と散歩

冬のシンフォニー 音もなく どこにも 眠ってる

 

そして枯れた草には もうすぐ

春のみどり 芽吹く 光のつぶ

 

Open Sky 何も遮るものもなくて

吸いこむようでもなく まぶしいわけでもなく 

ふんわりと 頭上に浮かぶ 青い空

あのころの未来

からっぽの電話ボックスは

どこにも通じていない

 

あのころ緑の受話器と

シルバーのダイヤルで

どこにでもつながれたのに

 

21世紀のもしもボックス

電話ボックスの形をしていたのに

 

あのころ描いていた未来と

似ているようで 似ていない現在

見えない 言葉や画像が 空を飛び交ってる

 

その言葉を受信しながら 

あのころの未来で 私は生きる

Thinking of you

あなたのことばかり 考えているうち

もういくつもの 季節を見送った

 

あなたのことばかり 考えているうち

公園の木は すごく背が伸びた

 

あなたのことばかり考えているうち

渡り鳥は 暖かい国へ旅立った

 

あなたのことばかり考えているうち

町の景色も 少し変わった

 

 

あなたのことばかり考えているうち

新しい恋のチャンスを逃した

 

でも

あなたのことばかり考えていたから

いつもひとりぼっちには ならなかった

 

 

変わらないもの

変わらないものを さがして

さがしつかれて

時に 何をさがしてたのかも

わからなくなって

 

変わらないものは 日々のすき間に 垣間見えて

でも その姿を追いかけると そこには何もない

 

変わらないものを 信じて

愛や永遠を求めて 人は迷子になる

 

変わらないものなんてないと

受け止めてしまえば 楽になるのかな

 

私も 世界も 宇宙も 変わり続ける

 

それでも 日々のすき間に 垣間見える永遠が

私を惑わし さがし疲れて 

 

心のどこかで そんなものないと知りながら

どうしようもなく 求めている

 

ふえるもの へるもの

ふえるもの

age

へるもの

time left for me

ふえるもの

distance to home on my way from home

へるもの

distance to home on my way home

ふえるもの

resignation

へるもの

expectation

ふえるもの

puzzlement

へるもの

innocence

 

ふえるもの

people I don't like

へるもの

people I love

ふえるもの

people who don't care about me

へるもの

people who love me

Anger

私がこんなに怒っているのは

誰かを傷つけたいからじゃない

 

私がこんなに怒っているのは

誰かを黙らせたいからじゃない

 

私がこんなに怒っているのは

誰かを脅えさせたいからじゃない

 

私がこんなに怒っているのは

放っておいて欲しいからじゃない

 

私がこんなに怒っているのは

寂しいから

 

寂しさをわかって欲しいから

 

私がこんなに怒っているのは

本当はもっと大切にして欲しいから

 

私がこんなに怒っているのは

本当はもっと優しさが欲しいから

 

なのに

表面では冷たく怒りながら

本当は傷だらけの私の心を

包んでくれるはずの 手のひらは

遠巻きに私を避けている

 

私がこんなに怒っているのは

私は孤独じゃないと

どこかで期待して 裏切られたから