Stanza della Luna

雑多な詩集

2020-01-01から1年間の記事一覧

A Bird Tree

川べりで 梢を広げた木が たわわな果実を 誇らしげに実らせてる 次の瞬間 強い風が吹いて はばたいた果実たち 枝は空っぽになった それぞれの空を飛んでいく 鳥の実 見送るようにたたずむ Bird Tree 花は なにいろ? 葉は どんなかたち? 来年の春 花が咲く…

誰かの宝物

土砂降りの道路わき ひしゃげたボールペンが転がってる びしょぬれで ボロボロで ペンというより ペンの残骸 触ったら手が汚れそうで 拾うのもためらう ゴミになってしまったペン ペンだけ落ちてるのは いつも使う手帳にはさんでいたから? その人にとって一…

悲しいひと

悲しいひと あなたを想うと私も悲しくなる だから私は 悲しいひとが 最初から存在しなかったみたいに振る舞う あなたの悲しみは 私の中にもいる 本当は その悲しみを誰よりも 理解できる どうにかしてあげたくて もがけば きっと私は悲しみに溺れ あなたより…

夜明け

夜明けを待つ人に 誰かが言う 「明けない夜はないよ」 どんな夜も明ける だとしても 月も星もない暗い夜 悪いことばかり考える眠れない夜 時計の針が止まったような長い夜には どうしたらいい? だけどやっぱり朝は来る どこからか忍び込んだ 光が闇に溶け出…

永遠の欠損

世界の日だまりの何億分の1かは その人の優しさと笑顔で出来ていたんだ その人の笑顔が二度と戻らなくなって 世界の日だまりは急に縮んでしまった なぜこんなに暗いんだろう 空気がやけに重くて 酸素が薄くて 足下の大地が消えてなくなりそうだよ 私の体はど…

孤独の温度

誰かといれば温かくて その場所は日だまりみたいに明るい だけど私は知ってしまった 誰かといるからさびしくて 誰かといるから心が凍るのだと 孤独は深い海の底に似て 太陽の光も 鳥のさえずりも 愛しい生命のぬくもりも 届くことは少ない そして 凍てつくこ…