Stanza della Luna

雑多な詩集

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ほんとうの宝石

凍りついた根雪が溶けるころ 白い花があちこちに咲き乱れる小さな町 夏にはそよ風が緑の葉を揺らし 秋には赤い果実が実る その町の空は 山に切り取られた四角形 空の果ては見えない 何だか退屈で 少しうんざりした少年は どこか遠く まだ見ぬ場所にきっとあ…

夏とスイカと麦わら帽子

少し古びたたたみに寝ころんで おなかにバスタオルをのせてうとうとすると 目が覚めるころ庭先はセピア色に染まって 蝉の声が「もう夕方だよ」と大合唱してた 私より背の高いひまわりが 空を見上げてる道を プール帰りに歩いていると 入道雲モクモク 雷ゴロ…

新しい一歩

あなたがいなくなってしまって 無意識に私は 立ち止まっていたんだね 季節の中の一つひとつのかけらに 全部あなたがいるから 違う花が咲くたびに あなたに話したくなったりして 変わらない世界から あなただけが消えてしまったことに茫然として 気づけば同じ…