Stanza della Luna

雑多な詩集

夜明け

夜明けを待つ人に 誰かが言う

 「明けない夜はないよ」

 

どんな夜も明ける

 

 だとしても

 

月も星もない暗い夜

悪いことばかり考える眠れない夜

時計の針が止まったような長い夜には

どうしたらいい?

 

だけどやっぱり朝は来る

 

どこからか忍び込んだ

光が闇に溶け出し

蒼い闇がぼんやりと淡くなって

柔らかな光が闇を支配する頃

 

朝と夜の間に境界線なんてないけど

夜は光と調和しながら

朝に姿を変えるよ

 

 

雨上がりを待つ人に 誰かが言う

 「やまない雨はないよ」

 

どんな雨も上がる

 

だとしても

 

体の熱を奪う 冷たい雨

全てをさらっていく 残酷な雨

逃げる道さえ塞ぐ 侵略する雨

全てが元どおりになるの?

だけどやっぱり雨は止む

重い雲で覆われた空が
ほんの少し明るくなって

暗い雲の間から
優しい薄青い空が「久しぶり」って顔をのぞかす

雨の名残と太陽が出会って

時には空に 大きな七色の

光の輪ができる

 

長い夜の暗闇が続くとき

強くいるのは難しくて

途方に暮れてしまうけれど

 

夜明けは必ず来ると

言い古された言葉が

嘘だったことはない