Stanza della Luna

雑多な詩集

永遠の欠損

世界の日だまりの何億分の1かは

その人の優しさと笑顔で出来ていたんだ

 

その人の笑顔が二度と戻らなくなって

世界の日だまりは急に縮んでしまった

 

なぜこんなに暗いんだろう

 

空気がやけに重くて

酸素が薄くて

足下の大地が消えてなくなりそうだよ

 

私の体はどんどん透き通って

だけど消えることはできなくて

泣くことさえできないんだ

 

どうやって笑おう

どうやって歩こう

どうやって息をしよう

 

光が欲しい

 

大事なものはいつも

なくしてから気づくんだ

 

その人の優しさと笑顔が

世界を照らし、暖めてくれていたこと

 

ある時は日だまりの一部で

ある時は太陽そのものだったこと

 

その人の笑顔は二度と戻らないこと

 

今は救いがない

 

だから朝を 

光を待つんだ