Stanza della Luna

雑多な詩集

意味

当たり前にあったものが消える

私はここにいる

 

そして私は

なくした人やものの数 かぞえてばかり

 

世界は流転し続けて

いつか私は

ひとりぼっちになって

ひとりぼっちで旅立つ

 

さびしさや、よるべなさに呑み込まれて

息が苦しくなるのは

私が自分のことばかり考えているから

 

人に優しくすることより

優しくされることを求めて

人に頼られることより

頼ることばかり考えてる

 

私の足下にはまだ踏みしめる地面があって

それを踏みしめる力も残っているのに

 

見えない大きな存在が仕組んだ

美しく神秘的で、残酷な営みの中

進化しながら

生存競争に勝って

優秀な遺伝子を次につなぐ

 

生きものとして生きる意味が

そこにあるとして

 

何も残せない

私は敗者に過ぎない

 

惑星の46億年

宇宙の138億年の年月で

名もなき生を生きた

勝者という光と対の影に必要な

数限りない敗者達のひとり

ひとりじゃないひとり

必要なひとり

 

最初から意味があるようで

意味なんて永遠にないのかもしれない

意味を生み出すのは

見えない大きな存在じゃなく

もがきながら生きる 小さな私

 

なくした人やもの かぞえながら

与えてもらったもの かぞえながら

この足下の地面を 一歩一歩踏みしめて

 

与えた人

 

いつかその数に入れるよう

生きればいい